線維筋痛症 / 東京都在住 / {地域} K・T 女性 1990年代生まれ K・T
21歳の頃から症状が現れ始め、一時は寝たきりを経験しました。希少性疾患であるがゆえに病名がはっきりわかったのはその6年後です。実情があまり語られていない病の当事者として、気づきを共有できたらと思います。 {リード文}
患者スピーカーになったきっかけ {キャッチ} {小見出し}
病に罹ってから、人に助けてもらうことが増えました。今まで以上に周りの人に感謝することが増え、自然と、この時に受けた恩を返したいと思うようになりました。そして、病気の当事者として自分が社会的に何か発信できないかと考え、患者スピーカーになることを決めました。
日常生活で病気の話をすることはどこかタブー視されがちですが、誰しもが経験することではないので、病気をして得た経験はたくさんの気づきが隠れた宝の山だと思っています。
{本文}
病気の経験から自分自身を見つめることができた
私は大学生の頃に発病したので、それまでの一般的な大学生としての生活が急変し、自分を取り巻く環境に戸惑うことも多くありました。また、若くして病気になったことを受け入れられない自分もいました。しかし、できないこと・できることをひとつひとつ点検していくなかで、自分のことを少しずつ認められるようになりました。病の体験が、自分自身を肯定するきっかけになったのです。
伝えたいメッセージ
病気のせいで出来ないことがあったとしても、自分のことを劣っているだとか優れているだとか考えることがなくなりました。「なぜそれが出来ないのか」「どうしたらできるようになるのか」など、丁寧にひとつひとつ精査し、時と場合によっては道具を使ったり、周りの人に協力してもらったり、試せることから実践していくことで感情的な落ち込みが減りました。病の体験を持たない人であっても、こうした技術は普遍的に役に立つと思います。不自由と生きるなかで、自分の生活をうまく両立する工夫をお伝えしたいです。
誰一人取り残さない社会をめざして、わたしのできること
最近話題のSDGsですが、理念の一つとして、「誰一人取り残さない持続可能な社会」が掲げられていますよね。高齢者や子供だけでなく、病を抱える人、障害を持つ人、移民の人、多様な性の形を持つ人……皆、それぞれの背景を持っていて、その皆が社会を形成しています。
異なるバックグラウンドを持つ人々であっても、共存して豊かに暮らすことができるように世界は着実に変わってきています。
その流れを確実なものにするためには、人の話に耳を傾けること、そして自分の言葉で話すことの重要性がますます上がってきていると感じています。だからこそ、わたしの語りを通して「こういう人がいてもいいんだ。」と思ってもらえたら嬉しいです。
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