第24回患者スピーカー´s
ストーリー
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開催日時:2024年 9月29日(日)13:00ー15:40
協働ステーション中央とZOOMの併用
参加者数:15名
テーマ:「あなたにとっての普通、当たり前とは?~そもそも普通や当たり前ってどういうこと?~」
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講演概要 {キャッチ} {小見出し}
講演テーマ:「あなたにとっての普通、当たり前とは?~そもそも普通や当たり前ってどういうこと?~」
講演者1:白石大樹さん(潰瘍性大腸炎、甲状腺がん)
タイトル:「あなたにとって普通、当たり前とは?」
伝えたいメッセージ:俯瞰して物事を捉え、お互いに人として成長していくことは、よりよい社会につながる
講演者2:鈴木すずさん(統合失調症)
タイトル:「みんな違って、みんな普通」
伝えたいメッセージ:みんな違って、みんな普通
前半は、2人の患者スピーカーの講演でした。1人目の白石大樹さんは、24歳のときに潰瘍性大腸炎を診断されてしまいます。腹痛や下痢がひどい時は日常生活にも支障をきたすほどですが、治療や生活の工夫によってなんとか働けるように努力されました。機械関係の工場で働いており、正社員への登用という話が出ていた矢先、27歳のときに甲状腺がんが見つかってしまいます。それによって正社員への登用がなくなるどころか、有無を言わさず解雇されてしまったそうです。今なら不当解雇だと主張して争うこともできそうですが、当時の白石さんは「病気にかかった自分が悪い」と思い、そのまま仕事を辞める選択をしたといいます。
その後、患者としての経験を活かせる仕事として作業療法士を目指し、資格を取得して働き始めます。しかし、忙しさやストレスからかうつ病にかかってしまったり、潰瘍性大腸炎が悪化してしまったりして、入院治療が必要になってしまったそうです。しかし、その途中で自分のこれまでをふりかえり、見つめ直した結果、日常から非日常への変化はいつでも起こり得ることや、場面ごとに起こる現実をどう感じて受け入れるかのバランスが大事だということに気づいたといいます。そして、患者経験を活かして医療従事者として患者に寄り添うことができたそうです。そういった経験から、物事を俯瞰して捉えてそれぞれが人として成長することで、より良い社会につながっていくのではないかということを伝えたい、という講演でした。
2人目の鈴木すずさんは、鈴木すずさんは、中学生の終わり頃から不調を感じ始め、17歳のときに統合失調症と診断されました。またそれと重なるころ、経済的な理由から美大や美術専門学校への進学を反対されたり、自身が性に関して違和感を抱いていることに気づいたりと、様々なことが起こったそうです。すでに中学受験を経ていたため、このまま性に関することは隠して一般の大学を受験することが、親が敷いてくれた私のためのレールだと思ったものの、それは私の人生には合わないと感じたといいます。
高校生になると幻聴がひどくなり、クラスメイトから悪口を言われ続けていると思い込んでいたため、後に友人から「山籠りをしているようだった」と言われるような振る舞いをしていたそうです。さらに症状が悪化して学校を休み治療に専念したところ、症状は落ち着いたものの思うように活動できず、みんなと同じようにしたいのに違うことしかできない自分に落ち込んだといいます。
友人との関わりや様々な経験を経て、自分だけ人と違うという思いからは解放されたものの、今度は自分が働けていないことに焦りと罪悪感を抱き始めてしまいます。通信制高校を時間をかけて卒業し、服飾系の専門学校に進んだ鈴木さんは、奇抜な格好をしながら真剣に課題に取り組む同級生に固定概念を崩されたといいます。自分の中の綻びを社会の中でなんとかしなくてはという思いにかられて、アルバイトや一人暮らしを頑張りすぎたことで病気が再発してしまいます。その治療を経て、これからは医療機関や周辺施設をきちんと頼って、精神福祉の世界で守られて生きていこうと決めたそうです。統合失調症と診断されてから、11年経っていたといいます。
現在はパート形態の作業所に通っていて、貯金して福祉とアートを学べる美大の履修プログラムに通う目標もできたそうです。一人暮らしの練習をしていて、実家と行き来して充実した日々だといいます。精神障害者のレールに乗ったのは、自分で乗りたくて乗っているのが高校の時と違うのだと、鈴木さんは語ります。さらに、患者スピーカーバンクなどの活動を通して、ありのままの自分を受け入れてもらえた経験から、鈴木さん自身が精神障害者である自分を受け入れたことで、新しい当たり前のあり方をえたと思っているとのことです。そのあり方は、自分の捉え方や決断次第で広がっていき、みんな違ってみんな普通なのだということを伝えたいという講演でした。
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グループワーク {キャッチ} {小見出し}
後半は、参加者全員でグループワークをしました。後半は参加者全員でワークをしました。
まず、感想共有として講演で印象に残った言葉を挙げたところ、客観視が大切、解雇されたこと、普通が大きくなっていく、自分で選んだレールに乗るなどのワードが挙げられました。次に、自分が人とは違っていると思ったこととして、死生観や働き方に関すること、パートナーとのあり方など、プライベートな事柄が比較的多く挙げられました。さらに、普通とか当たり前という言葉を使う場面として、詳しい説明や討論を避けたいとき、自分が多数派だと感じたときなど、相手の意見を封じてしまいたい時に使ってしまうという意見が多かったです。最後に、自身にとっての普通や当たり前とはどんなことかという問いに関しては、自分自身が受け入れている物事、自分の価値観がベースになっていること、必要な時に話を誘導する手段など、様々な意見が出ました。ワークのお話しの中で、普通や当たり前という言葉は相手に対する圧になることが多い、使う時は慎重にという意見が多かったのが印象的でした。
複数グループでとても活発な対話ができました。参加者の皆さま、ありがとうございました。
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